日本の中華街で売っている月餅。
甘党の私は、あの月餅が大好き。
もちろんヤマザキのも大好き。
ごまの香りがきいたこしあんにくるみが入っていて、皮はしっとりしているのに表面の模様が入っているところは卵黄のおかげか、焼き目がちょっとパリッとしているところも好き。
要は月餅が好き。
時は遡ること2012年、台湾に住み始めて迎える最初の中秋節。
台湾の中秋節は月餅まつりと聞いていたのでウキウキしていた。
それなのに周り台湾人の友達はみんな「げー」ってリアクション。謎。
どうしてそんなテンション低い…もとい嫌そうな顔をするのか理解ならなかった。
台湾現地で初めて迎える中秋節、特別感が物凄い。
そして月餅との衝撃の出会い。
「月餅いる?」
と、台湾人の友達。
「YES!」
二つ返事どころか、かなり前のめり気味の即答。
やった!ついに!伝説の月餅が私のもとに来る!
いざ戴いた月餅は箱に入った「贈答用」。
高級感溢れるその神々しい姿に思わず
コレ絶対美味しいやつやん!(宮川大輔風)
私のワクワクは止まらなかった。
早速開けてみる。
やたらとボリューミーな月餅が1個。
日本で見かける月餅よりも大きくてズッシリ重い。
直径と厚みは、ヤマザキの月餅のおおよそ2倍。
思わず箱の裏側、内容量表示を見る。
何グラムあるのよ…と。
月餅の中に入っていたのはこんな食材達。
- 綠豆沙(あんこ)
- 瘦肉(肉)
- 蛋黃(卵黄)
- 肉鬆(にくでんぶ)
- 蔥酥(ねぎ)
ふと我に返って思う。
あんこ&肉?
肉でんぶ&ねぎまで入ってる?
一体どういうことなんだろう?
目の前の月餅はたった1個なのに食材が5種類。
それぞれポジション分けされていて入っているのか?
それともすべての材料がごちゃまぜ状態で入っているのか?
謎は深まるばかり…
いざ実食!!
そして結果!!
げぇーーーーーーー
ごま風味が効いたあんこと肉でんぶが壊滅的に合わない。
少なくとも私にはダメ。
甘じょっぱいだけならまだしも、あんこの甘さと肉でんぶのボソボソ食感にびっくりするくらいお口と脳が拒否反応。
そもそもこの種のボリュームMAX月餅は数口で無くなるようなサイズではない。
日本人として残すのはもったいない…と思ったけど、食べすすめる気には正直なれない。
それくらいの衝撃。
これを一人で食べきらないといけないのか…
台湾人の友人に聞いたら最近の若い子は食べない人が多いらしい。
月餅好きじゃないって。
月餅の洗礼を一度でも体験したことのある日本人は大抵やんわりと受け取り拒否。
もしくは他の受取先を探すらしい…
知り合いの知り合いに外国人留学生がいると聞くと、家に余っている月餅が回されてくることも多々。
台湾人みんな何故か外国人が好きで、日本人ってだけで良くしてくれる。
ホント有り難い。
そして月餅が回ってくる。
問題は月餅を食べさせて困らせてやろうとかいう気持ちは微塵も無く、完全なる善意の塊なところ。
特に台湾人のオバちゃんたち。
日本人は台湾の月餅食べたこと無いでしょう?
って。
日本人は台湾人のオバちゃんたちにグイグイこられると断りきれない。
そして2度目、3度目の終わらない洗礼の嵐。
善意の押し売り。
嬉しいんだけど内心困ってたり。
ちなみに現在では、伝統的月餅を用意しているお菓子屋さん自体少ないらしい。
当たり障りの無いあんこだけ、もしくはあんこ&卵黄の塩漬けなどの餡のものを販売しているお店がほとんど。
洋菓子やカフェのチェーン店に至っては、敢えて日本の和菓子風に作って中秋節ギフトとして販売している模様。
初めて食べた伝統的月餅の衝撃は、もう一生忘れないくらい私の記憶に濃く深く刻まれている。
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